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黒い制服を身にまとい、いつも通り巡回をしていたであろう土 方を路地裏に連れ込んだ。
騒ぐ土 方を壁に追いやって肌に指を滑らせると、案外すぐに土 方は顔を赤くし、息を上げ始め。
「土 方…」
「てめ、ふざけんな…っ、ぁ…、ン」
髪の色も、目の色も、性格も何もかも違うけれど。
俺は、お前の愛した男を完璧にした男なのに。
どうして、お前は、俺に笑ってくれないの?
「忘れちまえよ…、アイツを覚えてる奴なんか、もうこの世にいない」
耳に舌を入れて聴覚を犯し、銀 時に似た声で囁いた。
「好きだ、土 方」
「っ!」
その途端震えていた足が崩れ、がくんと座りこむ土 方を抱きかかえる。
「…愛してる」
「あ……っ」
嫌々と顔を横に振る土 方が可愛くて、優しく口づけて。
ちゅ、と音をたてて唇を離すと、意外にも土 方の口は笑みを含んでいた。
「…ばぁか」
にやりと笑って言う土 方の髪をくしゃりと掴んだあと、頭を少し強く掴む。
「てめーは馬鹿だな、金髪」
電磁波を、直接脳に送ってしまえば。
きっと、お前は。
俺のものに、なるだろ?
「俺が、銀 時を忘れるかってんだよ」
──最大限の磁波を、土 方に送った。
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