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「ちょ…、オイ」
「ん?なーに?」
路地裏の隙間から差した日の光に、目の前で揺れる金髪が輝く。
「やめろ、ンな所で盛ってんじゃねぇよ」
自分の首筋に顔を埋める男の髪を触ると、耳元で男が笑った。
「ハイハイ、ごめんって。最近お前に会えなかったから、さすがに俺も寂しかったんだ。…なあ、今日の夜、来る?」
男の胸を押して向かい合うと、綺麗な碧の瞳が俺を捉え。
俺が問い掛けに頷けば、男はうれしそうに目を細めた。
「じゃあ、今はこれだけで我慢しとくな」
「ちょ…っ」
後ろ髪を優しく掴まれ引き寄せられれば、唇に柔らかい感触。
「んン…、っは」
突然の口づけに早くも息が上がった俺は、男の肩を叩く。
素直に離れた男はもう一度微笑むと、「また夜に、な?」と片手を上げて、路地裏を出て行った。
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