甘い匂いに誘われて

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「総司さんが助けてくれたんですか?」 きっと助けてくれたんだと思ったが 「ぇ?違うよ 佐和が追い払ったの!あの時はすごかったな~」 半笑いで話す総司 「・・・・」 思いもよらぬ答えにボー然とする。 「でも、そのあと佐和が泣いてるのを見て 私は・・・ほっとけなかった」 「泣いてた・・・」 自分の話なのに、なぜか他人の話を聞いているような感覚になった 「だから、私がいないところで無茶だけはやめて」 先ほど笑ってたはずの総司の顔が真剣な表情に変わった 「・・・わかりました」 「そのあとに迷惑かけましたって 佐和があんみつをおごるって言い出して 甘味屋に連れていかれたんだ」 そこには真剣な表情の総司はおらず 佐和のとった行動を思い出して笑う総司がいた 「あんみつに引き寄せられたのかな」 と総司は少し照れくさそうに言った
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