命令ゲーム

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その小包みを手に直人は家にはいった。 リビングに行き、ソファーに座った。 季節は秋。 暖房も冷房もいらない一番過ごしやすい季節。 直人は早速小包みを開けた。 中にはスマートフォンが入っていた。 直人は自分のスマートフォンを持っている。 新しいものを買った覚えはない。 一瞬母のか、と思ったが、自分宛ての小包みだと思いだした。 身に覚えのないスマートフォンを少し奇妙に思った。 その時、スマートフォンが鳴り出した。 直人はびくり、としたが手はスマートフォンを取っていた。 好奇心から電話にでた。 「江崎 直人様ですね」 急に名前を呼ばれたことに驚いたが、それよりも電話の相手の声を奇妙に思った。 声を変えていた。 刑事ドラマで誘拐犯が警察などに電話するときの声だ。 「そう…ですが…」 戸惑いつつも答えた。 「おめでとうございます。貴方は命令ゲームに招待されました」 「命令ゲーム?」 なんのことかさっぱりだ。 「詳しいことはそのスマートフォン内のアプリを見てください。その後もう一度お電話いたします」 そう一方的に言うと電話は切れた。 仕方なしにスマートフォンの画面を見ると、確かにそこには一つだけアプリがあった。 命令ゲーム そう表示されていた。 直人はそのアプリをタッチした。 アプリはすぐに起動した。 画面には一度大きく 命令ゲーム と表示されると画面が切り替わった。 どうやらルール説明のようだ。 ルール 一つ、命令されたことは絶対 一つ、命令を達成できなければゲームオーバー 一つ、命令を達成すると得られるポイントを集めよ 一つ、このゲームのことは他者に他言してはならない 一通り読むと一番下に OK というボタンがあった。 直人はそのボタンを押した。 するとまたスマートフォンが鳴り出した。
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