命令ゲーム

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電話に出るとさっきの声がした。 「江崎 直人様。ルールは確認になられましたね?」 「…はい…」 直人はこの声は苦手だと気づき、早く電話を切りたくなってきた。 「この電話が切れた時点でゲーム開始となります」 「!?」 これには驚いた。 まだこのゲームに参加するとは言っていないし、そもそもこのゲームは何なのかよくわからない。 「いや…あのー…まだやるかどうかは…」 「このゲームは招待された方は強制的に参加です」 なんて理不尽な と思ったが有無を言わせないというかなんというか迫力のある言い方に直人は何も言えなかった。 「最後に何か一つだけ質問を受け付けます」 そんなこと急に言われても 心の中でそう思った。 さらに急かされたわけでもないのに急いで言わなくてはいけない気がして 「ゲームオーバーになるとどうなるんですか?」 と言ってしまった。 もっと考えればよかったと少し後悔した。 「貴方は最近のニュースの携帯を残して急死したという事件を知っていますか?」 その事件は知っていた。 最近よくニュースでやっている。 突然倒れたとみられる人が道を通った人に発見された。 同じように発見された人がここ一ヶ月で六人。 みんな死亡している。 原因は心筋梗塞だとかいわれているが詳しいことはわかっていない。 その六人に共通しているのはみんな手に同じスマートフォンを持っていたこと。 そのスマートフォンには ゲームオーバーと表示されていたらしい… !! 事件のニュースを思い出していた直人は気がついた。 「まさか…」 「お考えの通りです。それではゲーム開始…」 「おい、ちょっと…」 電話はすでに切れていた。 「…はっ…まさか…まさか、な…」 直人はスマートフォンをテーブルに置き、立ち上がった。 すると さっきの着信音とは違う音でスマートフォンが鳴り出した。
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