第一章 ストーカーにご用心

9/18
前へ
/49ページ
次へ
 そして突然、美菜に向かってワンワンと吠え立てるのでした。さすがの美菜も、これにはビックリして、腰を抜かしそうになりました。 「お、落ち着いてください。これはただのデモンストレーションですから」  それを聞いて、美菜はホッとしました。本気で吠えられ、噛みつかれたらたまったもんじゃありません。まあ何より、無事であることが、一番の事でありますから。 「この人形って不思議ですよね。まるで生きてるみたい」  美菜は犬を見るなり言いました。 「これがこの当店のいいことです。大きさもレバーで調整できますし、いざとなったら番犬にもなります」 「へえ」  美菜は、この犬を飼ってみたいと思ってしまいました。番犬に使えるのなら悪くはないと、本気で思うこともあります。 「ねえ、この犬、もらってもいいですか?」 「いいですよ。ただし、決まりがありまして」
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加