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棚橋はフフッと意味深な笑みを浮かべていました。
五
家に帰ると早速、美菜は鞄からあのヌイグルミを取り出しました。もう一度、この子に会いたいって思ったからです。あのつぶらな目が忘れられなかったからかもしれません。
ま、動機はどうであれ、美菜はこの子の顔を見ると、フワッと笑顔になりました。うわあ、なんて可愛いんだろうと。
「こんなものが、ただでもらえるなんて、何か得した気分だわ」
「喜んでもらえて光栄です。僕はご主人様に愛されてなんぼの商売ですから、あなたの笑った顔を見るだけで、笑顔になります」
突然、ヌイグルミが喋り出したので、美菜はビックリして、転げ落ちそうになりました。
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