第一章 ストーカーにご用心

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「驚きましたか? それは失礼しました」  犬はそういって頭を下げました。そして美菜の顔をペロッと舐めたのです。  美菜は思わず笑ってしまいました。ヌイグルミに舐められるなんて、生まれてから一度もなかったもんですから、何か可笑しくて、たまらなかったのかもしれません。 「さて、本題に入りましょう。美菜さんは、ストーカーに困っているって話を、棚橋から聞いたのですが、それは、いつ頃からですか?」  美菜は1ヶ月前からだと答えてくれました。 「その頃、何か変わったことありませんでしたか?」 「私、この町に引っ越してきたばかりだから、何も」  その時、シェパードはある事に気づきました。そして、その犯人は、ご近所にいるのかもしれないと。 「ねえシェパード君」 「ハスキーと呼んでください。説明書にもそう書いてあったでしょう」
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