第二章 犯罪者にご用心

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「健二、ご飯食べないの?」 「いい、食欲ないし」  そういって健二は階段を駆け足で上っていきました。  健二が食欲ないなんて、不思議に思った里子は洋二に相談しました。すると洋二は、ダイエットしているんだろうと答えます。 「でも、男の子がダイエットするなんて、珍しいんじゃない?」  里子の心配をよそに、洋二はコーヒーのおかわりをねだってきました。さすがの里子はこれには呆れ顔です。 「少しは息子の事、心配してみてはいかがですか?」  すると洋二は、手に持っているコップを思いっきり、里子にブチマケました。 「ふん」  洋二は、テーブルに置いてあるリモコンを取ると、何事もなかったかのように、テレビにしがみつきました。びしょ濡れの状態になってしまった里子は、一刻も早く着替えたいと思い、自分の部屋に戻りました。
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