第二章 犯罪者にご用心

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 するとそこに、いかにも中年らしき女性が立っているのが見えました。 「あのう、こちらでボディガード扱っていると聞いてきたんですけど」 「お掛けになってお待ちください」  女性は言われたとおりにソファに腰を下ろしました。  しばらくして、若い女性がエレベーターから降りてきました。 「あのう、お客様って」  受付の一人が、女性のいる方向を指さして教えてくれました。 「ありがとう」  彼女はお礼を言うと、先ほどの女性のいる場所へと歩いていきました。「お待たせしました」  彼女は女性の顔を見るなり、営業スマイルで言いました。すると女性も、つられるように笑顔で答えたのです。何か礼儀正しい人だなあ、と彼女は思いました。
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