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彼女は、いつもどおりに、名刺を彼女に渡しました。『DANGEROUS ボディガード専門部企画営業課 相沢礼子』と書かれた名刺を見た女性は、自分も何か出そうと鞄に手を書けました。そしてその中から、一枚の名刺を相沢に渡したのです。
「三井里子さん、へえ、イラストレーターですか?」
相沢は名刺を見るなり、目を輝かせて言いました。
「いえ、イラストレーターと言っても、まだ未熟なもんで、仕事もそんなに」
里子は照れくさそうに、モジモジしながら言いました。
「わかりますよ。私も昔目指してたもんで。さて、話は戻りますけど、ボディガードを申し込むようですが、それは」
「私の息子にです」
彼女はきっぱりと言い切りました。
「息子さん、ですか?」
「実は先日、こういう手紙が、息子宛に届きまして」
里子は、一枚の封筒を相沢に差し出しました。相沢は、失礼しますといって、中に入っている便箋を取り出すと、ゆっくり読み始めました。
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