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「僕は【運び屋】です」
「運び屋……?」
ここで傘間はあることに気づいた。
この少年を殺してしまえば、失敗にはならないのではないか。
唯一の目撃者である少年を、大勢の犠牲者の一人にしてしまえばいいのだ。
逆転の一手に、思わず笑みがこぼれる。
「なあ少年、一つ取り引きをしないか?」
「取り引き?」
「そうだ、取り引きだ」
ぎこちない笑みを浮かべ、一歩ずつ少年に近寄る。
咄嗟に右ポケットに隠したナイフが届く距離まで。
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