ピエロの魔術

魔術の始まりは

ん？ちょっと待てよ

「なあ、篤」

「なんだい？」

「シャー・グラウンドの演説でアメリカは魔術が実現できる根拠があるって言ったよな」

「ああ、言ったね」

「あの演説の後、実現化のためにアメリカも各国の協議に参加していたはずだよな」

「そうだね」

「おかしくないか」

「何がだい？」

「根拠があるなら協議に参加する理由がない。独自のやり方で魔術を作り出せただろう？」

「でもシャー・グラウンドはあの演説の後すぐ亡くなっているしその後も根拠らしいものは出て来てない。実際世界はシャー・グラウンドに踊らせていたとも考えられるだろう」

「....そうだな」

「納得いかないみたいだね。だけど今ではシャー・グラウンドは演説力に優れていたと考えられる説が有力だから仕方ないよ」

「はあ」

納得はいかなかった

演説した当初魔術はあり得ないものだった

国を挙げて政策として取り組むには

それなりの根拠がなければおかしい

そんなことを考えているとチャイムが鳴った