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「そうしたいけど、出来ないんだよ…」
「何で?」
何でって…
「…女なんか男とヤったあとそれしか頭にないから話の内容なんかすぐに忘れちゃうだろ、それに今の女子生徒は結構な年上と付き合うと優越感が芽生えてくるから、もし話を覚えてたとしても優越感に浸りたいから周りには絶対に言わないはず、だからこうして女子生徒と体を重ねては花音の情報を聞いてるの」
そう言うと由貴人兄は優しく微笑んだ。
「そっか、大樹にも自分なりに考えがあるんだな。…兄ちゃん感激したぞ?」
「はいはい、そりゃーどうも」
俺は軽く由貴人兄のバカな発言を流した。
最後の言葉余計だし。
「大樹、花音がいなくて寂しくない?」
「…見れば分かるだろ?」
「イヤ、分からない。」
由貴人兄はそう言うとソファから立ち上がり俺の周りをぐるぐると回った。
「…寂しいよ。」
「だよなー…」
そう言って由貴人兄は元のソファに戻り、座った。
「花音がいるのといないのじゃ全然違うしね」
…確かに。
前のこの家は2人だけだったのになぜかものすごく明るかった。
プラス、由貴人兄達が来るとうるさいほどこの部屋は賑やかになっていた。
そんな光景を想像していると自然と口角が上がってしまう。
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