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「…大樹が花音のことを好きになる気持ちも分かるなぁ…。それに、」
途中で言葉をとめたかと思うと由貴人兄はニヤッとながら足を組んだ。
「ひとつ屋根の下であんな無防備な妹と一緒いると…ねぇ?」
「…何だよ。」
「毎日乱暴にヤってたんだろっ?」
そう言うと由貴人兄はクスクスと笑いだした。
俺をバカにしてんのかよ
てゆうか…
「花音を乱暴に扱うわけないだろ?」
「本当か?まぁいいけど。」
由貴人兄はそう言ってソファに寝転んだ。
たまには…ね。
乱暴にヤったこと、あったかな…ハハッ…ごめんな、花音。
「でもさ、花音は自殺で解決してるんでしょ?本当は誰かに殺されたのに…早く警察に言わなくていいの?」
「まだ証拠も何もないから言えないんだよ…」
「あれは?…あの手帳日記の」
「これは多分証拠にならない…」
俺はポケットから取り出した手帳日記の最後のページを開いて見つめながらそう呟いた。
この文章じゃ警察は誰も信じてくれないと思う。
世の中って本当に不公平。
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