第2章

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「…ダルい。」 俺は、裏庭にある小さなベンチに座り、隣にある販売機で買った缶コーヒーを一口啜った。 昨日、由貴人兄につられて酒なんか飲まなきゃよかった。 お陰で頭がすげー痛い… 「はぁ…」 俺は、ため息をついたあと、もう一口コーヒーを啜った。 トントン 啜った瞬間、誰かが俺の肩を二回、軽く叩いた。 後ろを振り返ると、制服をピシッと着て、無表情で立っている女子生徒がいた。 こいつ…俺のクラスの生徒、だよな…? 俺は、慌てて女子生徒にニコッと作り笑いをした。 「どうした?」 すると、女子生徒はニヤッと笑ってこう言った。 「あたしに作り笑い、要らないですよ?……三宅花音の……お兄さん。」 「…ぇ…」 何で、知ってるんだ…? 学校の奴らには誰にも言ってないはず…なのに… 俺の体は一気に震え上がった。 すると、女子生徒は俺の隣に座って足を組んだ。 「あたし、お兄さんのことなら何でも、知ってます。」 「…早く教室に戻らないと授業、遅れちゃうよ?」 俺は、作り笑いをしながら女子生徒の話を逸らして、早く教室に戻らせようとした。…けど、 「フッ…お兄さん、お話を逸らさないでもらえますか?」 女子生徒は、鼻で笑ってそう言った。
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