第2章

3/4

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「あたし、川島花。…知ってますよね?」 「知ってるよ、俺のクラスの生徒だし」 俺はまた、川島花にニコッと作り笑いをしてそう言った。 たしか、こいつ…週に1回しか学校に来ない生徒だよな でも、テストは毎回学年1位の天才女。 そんなやつがなんで、俺と花音が兄妹だって、知ってるんだよ… 「…お兄さん、そんなに怖がらないで下さいよ」 「怖がってねーよ…」 「…やっと作り笑い、終わりましたか。」 川島花はニヤッと笑い、ベンチから立ち上がり、俺の目の前に立った。 「…あなたが女子生徒に手を出していること、三宅花音と兄妹だったことは、誰にも言いませんから、どうぞご安心を。」 川島花は無表情でそう言った。 なんで、俺が女子生徒に手を出してることまで知ってるんだよ… いったいどこで…そんなこと… 缶コーヒーを持っている手は、冷や汗で濡れていた。 「ところで、お兄さん。…いい情報、知りたくないですか?」 川島花は怪しげな表情でそう言った。 「いい情報って何だよ…」 そう言うと、川島花は俺の耳元でこう囁いた。 「…妹さんの事件の関連者、私、知ってます」 「…ぇ…?」 「…教えます。…けど、それには条件があるんです」 条件…? こいつは花音を殺した犯人、知ってるのか? いや、まてよ。 簡単に信用は出来ない。 もしかしたらこいつが… 花音を殺した犯人だってことも、ありえるから。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加