4人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「あたし、川島花。…知ってますよね?」
「知ってるよ、俺のクラスの生徒だし」
俺はまた、川島花にニコッと作り笑いをしてそう言った。
たしか、こいつ…週に1回しか学校に来ない生徒だよな
でも、テストは毎回学年1位の天才女。
そんなやつがなんで、俺と花音が兄妹だって、知ってるんだよ…
「…お兄さん、そんなに怖がらないで下さいよ」
「怖がってねーよ…」
「…やっと作り笑い、終わりましたか。」
川島花はニヤッと笑い、ベンチから立ち上がり、俺の目の前に立った。
「…あなたが女子生徒に手を出していること、三宅花音と兄妹だったことは、誰にも言いませんから、どうぞご安心を。」
川島花は無表情でそう言った。
なんで、俺が女子生徒に手を出してることまで知ってるんだよ…
いったいどこで…そんなこと…
缶コーヒーを持っている手は、冷や汗で濡れていた。
「ところで、お兄さん。…いい情報、知りたくないですか?」
川島花は怪しげな表情でそう言った。
「いい情報って何だよ…」
そう言うと、川島花は俺の耳元でこう囁いた。
「…妹さんの事件の関連者、私、知ってます」
「…ぇ…?」
「…教えます。…けど、それには条件があるんです」
条件…?
こいつは花音を殺した犯人、知ってるのか?
いや、まてよ。
簡単に信用は出来ない。
もしかしたらこいつが…
花音を殺した犯人だってことも、ありえるから。
最初のコメントを投稿しよう!