第2章

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「まぁ、信用出来ないのは当然です。…あなたにとっては、あたしと喋ったのは初めてと思われてるようですので。」 「…ぇ…?」 どういうことだ…? 「フッ…混乱、しているようですね?…あたし、お兄さんと一度だけ、お話ししたことあります。そちらは、忘れているようですけどね…」 余裕気な表情から一瞬、川島花の表情が少しだけ、曇ったように見えた。 てことは、一度会ったことあるのか?…この、川島花と。 でも、俺の記憶では全く覚えがない。 俺はもう一度、川島花の顔をジーッと見つめた。 「…」 やっぱり、思い出せない。 すると川島花は、もう一度俺の隣に座り、足を組んだ。 「…条件とは、50万要求のことです。」 「…50万って…お前、担任に要求するつもりか?」 「今頃先生ぶるのは止めてください。…で、50万要求を条件として、妹さんの事件の関連者情報、どうですか?」 どうですかって… 「こんな美味しい話、どこにも無いですよ?」 「たくっ…おふざけはもうおしまいだ。…早く教室に戻れ」 こんな生徒が花音の事件の関連者なんて知ってるはずがない。 ただの金目あてにしか思えない。 俺は立ち上がり、缶コーヒーをゴミ箱に捨て、川島花の方に顔だけ向けた。 「…先生を脅すのは止めろ。…今度こんな真似したら、居残りにするからな」 そう言って、足を前に出して歩き出そうとしたその時… 「…楽しみにしてますよ、…三宅先生。」 川島花はそう言うと、立ち上がり、何処かに消えてしまった。
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