榎本美楼季

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彼女は男である。男のはずだ。 その言動は女の子らしさをまったく感じない。 「ミルキー早くして。もう俺限界だよー」 彼女は今俺のアパートにいる。今というよりほぼ毎日だ。俺にどんな都合がある日でも彼女はうちにやってくる。もしも女の子が毎日うちに来てくれるなら大歓迎なのだが… 「ちょっとは我慢して。もう少しだから。てかそのミルキーって伸ばすのやめなさいよ。私の名前は美楼季(みるき)だから!この話すんの何回目よ?」 「いいじゃん別に。みんなそう呼んでるし」 「いや、あんただけにはそう呼ばれたくないわ!」 「意味わかんねー。てか早くうんこ出せよ。遅すぎ。そして限界。俺のやつはもう頭一個分でてるし…あっ頭二個分――」 「女の子にうんこ出せよって、どんな教育受けてきたのよ?おまわりさーん、ここに変態がいまーす」 「こんなときだけ女の子に化けても無駄だぞ。てかここ俺んちだし。何言っても良くね?」 「うっせインポ」 函ノ助はうちから徒歩3分のところにある。そのため俺は立派な常連である。そしてここで働くミルキーは大学の同級生で女。彼女のアパートにはシャワーが付いていないため、バイト終わりにうちに乗り込んできて勝手にシャワーを浴びて帰る。その前にトイレに入るのだが、いつも異常に長い。とても迷惑だ。だからといって門前払いはできない状況である。彼女はなぜかうちの合鍵を持っているからだ。ちなみに俺は性器は正常である。
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