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『まぁ、晶ちゃんが心配で仕方ないのよ、棟梁は。いくら男装でも美男子なんだから!』
「うーん…理解できん。別に興味ないからね…。」
そんな馬鹿な京助の話をしていると風のスピードがだんだんと落ちてきた。
もう屋敷の屋根が見えてきた。
「ちょっと緊張してきた…。あの人怖いし…。」
心臓あたりを押さえてみると動悸が速くなってることに気づく
『大丈夫よ。だから今回は秋じゃなくてあたしが護衛なんだから!』
背中をビシッと叩かれて気合を入れられた
嬉しいがかなり痛い、痛すぎる。
櫂ちゃん、あんたは男なんだよ?
私もとりあえず女なんだから加減してくれよ…
前に秋の骨折ったんだから…
怖えよ…溜息でるわ…はぁ。
悪態をついているうちに風はなにかを察してか裏庭の方へと晶を乗せたまま歩き出した
「風はいい子だなぁー。何も言わなくてもちゃんと裏に回ってくれるなんて本当に頭の回る子だねー。」
褒められたのがわかったのか風はブルンと嬉しそうに鼻を鳴らした
『本当に賢いわよね、風ちゃん。匂いだけで晶ちゃんを見つけるもの。あの情報屋たちも頑張ったわ~。』
「贈り物なんていいと思ったが風に出会えてよかったよ。馬は特別好きだからな。」
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