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風が心地よくなり始めた春のもう空が夕暮れに染まりきる頃、2人の少女が歩いていた
「なぁなぁ、夕夏さんよぉ~あんたは何でそんな男を虜にするんだい?」
1人の少女がからかうように言い放った
『へ?何のこと?』
もう1人は全く何のことだか、からかわれているのかさえもわかっていない
「これだから鈍感は質が悪いんだよなぁ~」
夕夏と呼ばれた少女は黒っぽい茶髪のセミロング、桜色の唇、ぱっちりした大きな目の世に言う
〝美少女〟というやつだ。
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