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「ほら佐藤買ってきたぞ…ってあれ?」
いない。たしかに店から出て行ったはずの佐藤がいない。
そのかわり、10メートル先に人集りが出来ている。
パアァァァン!
その瞬間、あたり一面に乾いた音が響き渡る。なんか嫌な予感がする。
俺は人集りに向かってスカイボードを飛ばす。距離が近いからすぐについた。
人集りは円を描くように出来ていて、中心には拳銃を持った男と人質の佐藤。
なんで佐藤が人質なんだよ…
悪運強すぎないか?ナンパされるわ人質にとられるわ、お前厄年?
「おい!コイツを殺されたくなかったら現金三億と逃走ようのスカイボードを用意しろ!」
男は人集りの中にいた警察官に向かって言い放つ。
しゃーないなあ。俺はスカイボードを上空10メートルまで上昇させてから男の頭上に移動する。
そしてチーズバーガーを男の近くに落とす。
「なんだ?」
男の気が佐藤からそれた今だ!俺はスカイボードから飛び降り男の背後に回る。
そして男の首に腕を回し、絞めに入る。三角絞めだ。
男は白目をむいて膝から崩れ落ちる。ヤバいやりすぎた。
「佐藤行くぞ!」
俺は佐藤の手を取りスカイボードに乗り込む。そしてスピードを上げてデパートに向かった。
傷害罪とかなんないよね?俺は佐藤を守っただけだからな?
「どうしてお前はそんなにめんどう事に巻き込まれるんだ?もはやワザと巻き込まれてるだろ?」
ここまで巻き込まれるって、自分から巻き込まれに行ってるとしか思えない。
「ごめんなさい…私鈍いから…」
涙目上目遣いで謝ってくる。
「いや、気にすんな!おま、お前は悪くない!だ、だから泣くなって!」
不覚にも少しドキッとしてしまった自分がどこかにいる。
そんなやりとりをしてるうちにデパートに着いた。佐藤はスカイボードから降りて言う
「送ってくれてありがとね!燈君!じゃあね!」
手をふりながら佐藤はデパートの中に入っていった。ん?今燈君って言ったよな?下の名前で呼んだってことは…
「よお霧矢!休日に会うなんて珍しいな!」
ディノの声だ。
「ディノお前…死ねぇぇぇぇい!」
俺はディノを一本背負いで投げる
「なんでぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
こうして俺の休日はすぎていった。
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