愛しい人へ

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「どう?美味しい?」 「うん、美味しい。」 「ウソ…こんなデコボコおにぎり。」 「うん、美味しい。」 「お兄ちゃんってさ、出されたもの、全部美味しいって言うでしょう?」 「うん、美味しい。」 「やっぱりな。」 タイは、アジアを見つめて嬉しそうに溜め息混じりで言った。 「お兄ちゃん、お仕事は?」 「殺し屋。」 「そうなんだ。」 「冗談。自動車工場で働いてる。」 「今日は、休み?」 「夜勤、これから行く。」 「おにぎり、持って行く?」 「うん。」 タイは、お皿に残ったおにぎりをサランラップに包んでアジアに持たせた。
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