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(ねぇ、どうしたの…?大丈夫?)
心配してくれたロズがひそひそ声で話しかけてくる。僕は大丈夫だと手で静止ながら一つ息を大きく吐いた。
落ち着け。知識はもう十分身に付いているんだ。このマジ・ド・クラウン学園は有名なエリート学園だ。進学する時に難有りと見られたら他校へ転校する羽目になる。
全く貴族というものはこういう時に面倒だ。自分の子供をこの学園で活躍させれば一族の名前は世界に轟くのだ。まぁ僕の両親は多分、周りに合わせて入学させたのが関の山だろう。
しかし、自分の一族の名前に泥を塗りたくないのは正直な気持ちだ。僕が迷惑するならまだしも、家族にまで迷惑をかけるのは気が引ける。
はぁ、家に帰ったら頑張って探すしかないかなぁ。
僕は気分を沈めながら帰路につくのであった。
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