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『国語の教科書忘れてきたから蒼に借りてくるね』
『うん。行ってらっしゃーい』
私は隣のクラスの蒼の元へ行った。
蒼の姿を探す。
いない……
どうしよう。
『邪魔』
『ごめんなさい』
そう言って顔上げてみると高梨悠真だった。
ゲッ
『蒼に用か?』
『まぁね。蒼知らない?』
『さぁ?』
『じゃーあんたでいいわ。ちょっと国語の教科書貸してくれない?』
『何で俺が?』
『私ちょー困ってんの。困ってる人助けてくれたっていいでしょ?』
『嫌だね。』
やっぱりこいつに頼んでも無駄か……
でもこのクラス知り合いいないんだよなぁ。
『里穂、どうしたぁ?』
この声は………
『蒼ーっ国語の教科書貸して』
『また忘れたのか?』
『またって言うなっ』
『はいはい。ちょっと待っててな』
蒼は教室に入って行った。
『よかったな。蒼がきて』
『もうあんたに何にも頼まないわよ』
私は高梨悠真を睨みつけた。
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