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「んー…アップルパイソーダと、ソフトクリームスパークリング、どっちが良いですかね?先輩。」
後ろに人の気配を感じたので、思ったままに聞いてみる。
「俺は甘いものは御免だから分からんな。良くそんな甘いモノで腹が満たされるのかと少し吐き気がする。」
「そーっすか。あ、やっぱり焼き芋サイダーにしよ。」
成績優秀者がもつロイヤルカードと言う名の、白地に金字のカードを自販機にタッチし、焼き芋サイダーを購入。早速飲んでみる。
「んー…そこまで美味しい訳じゃないのかー…あ、先輩も飲みます?」
「全く…お前はさっきの俺の話を聞いていたのか?」
「聞いてましたよ?五木先輩。だから聞くんじゃないですか。」
「それはタダの悪ふざけだと分からんのか?」
はぁー…とため息を吐く、風紀委員の五木先輩。先ほどおれが押し倒されているのを見て来てくれたんだろう。
「今回は何とか1人で対処できましたよ。」
「そんな事言っておいて、この前放課後に特別教室に引きずりこまれそうになっていたのは誰だ?」
「おれでーす。」
また五木先輩がため息。
「せんぱーい、幸せが逃げますよ?」
「お前が逃がしているんだろう!?…まぁいい。放課後は俺が教室に言って話をみっちりと聞いてやるから覚悟しろよ?」
「きゃーこわーい。」
厳つい顔をニヤリとさせて言ってきたので、おれは棒読みでその場を逃げた。予鈴も鳴りそうだったし。
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