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入学式を数ヶ月前に終え、
クラス毎に友達グループという垣根が出来上がる時期
俺、安桜 燐兎はまだ友達が作れないでいた
入学した当時は燐兎という奇抜な名前に恍惚の目を当てられたものだ
それがどうだ、今は安桜はおろか名前を呼ぶ者は教師しかいない始末だ
慣れていると言えば慣れているのだがどこか寂しい気持ちがあった
花の青春時代を出鼻から一人というのは中々つらいものだ
しかし俺は日本一、と言っても過言では無いほどの面倒癖があり、友達を作るという気力すらも湧かないという現状である
だが、そんな反面いつも窓から緑がかった街路樹の自由さを羨んで見つめるか、クラスの流行りから遠く離れた妙に哲学的な言い回しの本を読み、無駄な知識を蓄えるのにはそろそろ飽きていた
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