「最大の敵は退屈」

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「ああ……暇だ……」 おじさんのお店――「リサイクルショップ・はせがわ」でバイトして3年目。 いまだにフリーターでくすぶってる俺ですけどなにか? 「うう……ったく、仏壇屋みてえな名前だから客が全然こねえじゃねえかよ」 言って、レジのカウンターにぐったりと突っ伏す。 もう9月も半ばだというのに、残暑が名残惜しげに東京の片隅にとどまり、 庶民にうとまれ続けている。 かくいう俺はお店の中でクーラーという文明の利器におぼれ、 エコそっちのけで涼みまくっている。 おかげですっかりクーラー病だ。だるい。だるすぎる。 いや、だるいのクーラーだけのせいじゃないか。 俺の人生がそもそもだるいのかもしれない。
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