真実はいつも臨時

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 サクにネクタイを解かせる。やっと手が自由になった。受けネコも楽じゃないぜ。 「協力ありがとね。姉ちゃんにはきちんと話を通しておくから相応のお礼をするよ」  お礼がなきゃ、BL紛いの写真を撮った意味がない。夏コミ等での津田姉の活躍に期待だな。  そこで俺は気づく。津田姉には、お礼をもらえるとして、津田本人からはどーなのよ。そもそも、津田がこの話を持ちかけてきたのは、津田も津田姉からお礼の品がもらえるからじゃねえの?でなきゃ、ノンケの友達をBL写真に巻き込むか?  同意の上で撮ったことだし、津田本人へのお礼うんぬんは置いといて、お願いしてきた津田くんからのお礼は欲しいなあ。 「津田ぁ、俺達、友達だよな?」 「ん?写真のこと気にしてるの?大丈夫だよ、今回の件で時田を変な目で見るようなことはないから」 「さんくす。写真見たいからこっち来て」  津田に手招きする。 「男三人でベットはねえわ」  サクがベットから降りる。  好都合、好都合。 「アドレス教えてくれれば時田のパソコンにもデータ送る、うわっ!」  近づいてくる津田の腕を引っ張ってベットに。津田はバランスを崩して倒れ込むもののカメラだけはしっかりと持っている。  ぼーっとしているサクに、津田を押さえ込みながら 「俺×津田で写真撮んぞ!」 と、言った。
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