真実はいつも臨時

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 サクは少し照れたように、えへへ、と笑い、俺と格闘する津田からカメラを拝借する。 「いいのかなぁ、いいのかなぁー」  サクはリズミカルに連呼して、カメラの設定をいじる。やつは本気だ、撮られている時よりイキイキとしている。攻めポジだろうが、撮られるより撮るほうが燃えるらしい。萌えるらしいわ。 「時田、ちょ、ホントに!?俺、無理、写真は足りてるよ!」 「あのねー、僕ねー、津田の姉ちゃんにはお使いが頼めるのに、津田が俺達に何もしてくれないのはおかしいと思うんだよねー」 「うっ」  津田の動きが止まる。 「俺達、友達だよな」  ここぞとばかりの一太郎スマイル。自分のクズさに悦ってしまう。傍観者だった津田をこちら側に引きずり込んだことに気持ちよくなって勃起出来ちゃうわ。 「ううー……」  俺、上。  津田、下。  不安そうに俺を見上げる津田の顔が赤い。俺の顔も、格闘していたせいで暑い。 「あんまり恥ずかしい写真、撮らないでね、記録、残るなんて」  津田はプイっと視線を横にずらして、数秒でまた俺を見る。 「いつまで見てるの。時田、近い」  津田ああああああああ!!  つ、津田萌えええー!!
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