真実はいつも臨時

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  「2人でいちゃついてるとこ悪いけど」 「いちゃつきはしてない!」  サクが言ったことに、津田が珍しく大声で修正を入れる。 「撮るもん取らせてもらいますよぅ」 「この、エロカメラマンが」  サクを褒める。エロカメラマンの彼はカメラを片手に持ち、ブイサインをしてくる。 「忘れられない思い出、作ろうね!」  攻めポジサク並に調子に乗って、受け側の気持ちを忘れていた俺は、津田に敵を切るように睨まれる。それでも思ったのは、俺の下にいる男は可愛いなうふふという感想。  全員が受け側を体験し、多かれ少なかれ精神的ダメージを負った。疲労を回復すべく学食で飯を食い、サクの部屋でのんびりとしているとインターホンが鳴った。  津田もサクも動かないので、俺が動く。 「こんばんはー!」  いつものメンバー最後の一人、菜月が廊下にいる。2年7組、4人組、揃いました。 「こんばんはっす。会いに来てくれたの?」 「うん。今日は津田の用事で3人はここにいるって聞いててさ、来たんだ」  菜月は今日は何度も聞いている台詞を続ける。 「突然だけど、さ、俺達、友達だよな?」
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