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10、石に変身したよー。本当だよー。
ドカーーン。はっ?
なんだろう。窓を開けて音のある場所を見てみた。なんだただの隕石か。つまんね。
僕は台所で料理を作ることにした。昨日スーパーマーケットで食材を買ってきたんだ。久しぶりに。
トントントン。包丁の音じゃないよ。トン汁を作っているんだよ。
ザクザクザク。包丁の音じゃないよ。ざくろを使った料理だよ。
ジャージャージャー。鍋で炒め物をしている音じゃないよ。洗面所の水を止め忘れたんだよ。
グツグツグツ。煮込んでいる音じゃないよ。テレビでマグマの特集をやっているんだよ。
さあ、出来た。ほらよ。
「ニャーン」
もちろん猫の耳毛の餌だよ。
今日は石に変身するか。隕石も落ちてきたし。
よし、家を出よう。僕はハイハイで家を出ました。なんでって手と足とで大地の息吹を感じたかったからです。でも、体全体で息吹を感じたくなったので結局イモムシの様に動くことにしました。誰とも会いませんでした。
じゃあ、石に変身してみるか。
ピッカピカー。僕は草むらの影で石に変身しました。
「あっ、誰か来たよ。女の子だ」
通り過ぎました。
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