13、靴に変身したよー。本当だよー。

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13、靴に変身したよー。本当だよー。

 ワンワン!  !? 僕は目を覚まし鏡の所まで行った。犬だった。ボクサー犬だった。  どうやら、寝言で犬をイメージして呪文を唱えたらしい。すぐに元に戻った。  まだ猫達は眠っている。朝の6時だ。  今朝はゆっくりと朝食を摂る事にした。  僕の家の空いている部屋で昆虫とかヘビとか生きた魚とかを食料のために最近プラスチックケースに入れて別々に飼っているのだ。  僕はまずは蟻になり、プラスチックの空気穴から昆虫を飼っているケースの中に入ると、次にカメレオンに変身した。そしてケースの中の木に登りゆっくりとした動作で狙いを定め一瞬で舌を伸ばし、昆虫を次々と食べて行った。食事が終わるとまた蟻に戻り、プラスチックケースから出た。  今日はまだゆっくりしていたかった。なので、僕はトイレに行きアメンボに変身して、トイレの水の溜めてある場所に下り、水の上を滑走した。そして、今度は亀に変身し水の中を優雅に歩き、元に戻った。  ふうっ、気持ち良かった。  リフレッシュ完了だ。今日は何になろうかな? 「テレビを付けよう」  あ、マラソンやっている。面白そう。そうだ、靴になればいいんだ。  ピッカピカー。  僕はアスリート達が集まっている競技場へ虫になり降り立った。何の虫かって? 蚊です。アスリートが見えてきた。  バチ! 叩かれた。落ちていく僕(蚊)。また変身だー。  ピッカピカー。  今度は目的の靴に。 「あ、靴だ」  色白でマラソンやっているだけあって、足が発達している人が僕を発見したよ。 「なんで、こんな所に靴があるんだ? 誰の?」  発見した人が言った。
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