文学少女現る。

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 文学っていいな。読めたらいいな。あんなこと、こんなこといっぱい起きるけど。  みんなみんなみんな叶えてくれる。たくさんの本が叶えてくれるー。  道をぷらぷらと歩いていた私は、替え歌を歌ったの。ドラ○もんの歌よ。  私は文学のことを頭に思い浮かべて。胸をもみしだきました。  好きよ、文学。抱いて、文学。  私、文学少女。髪の毛は黒髪で、スレンダーな体躯。でも出ている所は出ているのよ。私に会いたいですか? お断りします。私は今、高校1年生。友だちは一人もいなくてロンリーハート。白馬に乗った王子様を募集中です。本の中で。  一日、千冊は本を読むの。もちろん速読よ。  本があれば私の心はお花畑なの。  学校の授業中は表紙だけ教科書で中身は全て読みたい本と入れ替えてあるの。策士でしょ、わ・た・し・  トイレでも、食事中も、自転車で移動中も、いつも私は本を読んでいるの。  私は本当に本を愛しているの。少しでも多くの本を読みたいから、トイレの後もトイレットペーパーは使わないわ。時間がもったいないもの。ふふふんふん♪  もちろん無駄毛の処理すらしないので、ボーボーよ。いたるところの毛が。服装も着替える時間が惜しいから、ノーブラ、ノーパンは当たり前。いつも男子生徒は私の後を付いてきて、はぁはぁ言っているわ。男の人は私をしばらく見た後、すぐにテッシュを持ってトイレに駆け込むの。何をしているのかしら。ぽっ。  それにしても、あー、本は素敵。人の思考に触れることができるし、知らないところへも旅できる。過去にも宇宙にも行けるし、思うがままよ。あん、感じてきた。  私は今、本を読みながら歩いているの、道路を。  プップッーってクラクションうるさいわね。  私は顔を上げたの。  あっと思った時は車が目の前に迫っていたわ。  ああ、もうよけられない。本を読みながら歩いていた私の、前方不注意よ。自業自得だわ。私は観念したの。  観念した私はどうせ死ぬならほんの一行でもいいから少しでも本が読みたいと手に持っていた本を開いて読みました。もちろん官能小説よ。  それでは皆さんさようなら。また会う日まで。
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