札束の葉

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頭が重い……、昨晩は結局マスターに遅くまでお酌に付き合わされてしまいあまり眠る事が出来なかった。今日は記念すべき出発の日だというのに先が思いやられるな……。小さな自嘲のため息をこぼしながら横で腹を出して眠っているジルバの尻尾をむんずと掴む。 びくりと体全体で跳ねると何があったのかを寝起きの頭で確認しようとあたふたとしている姿を見て少し笑いが込み上げた僕は性格が歪んでいるのかもしれないな。 「おはよう、ジルバ」 「……おはよ……。 尻尾掴んで起こすのやめろよな……」 寝起きの掠れた声で不機嫌そうに呟くジルバ。本当に嫌そうなので今度からはしないようにしなければ、でもたまにはまたみたいな……なんて思うのはやはり。 「さ、朝の支度を済ませたら今日からしばらく野宿だからね、美味しい朝食を堪能しておくんだよ」 ぱぱっと顔を洗う等の身支度を済ませマスターの待つ食堂へ行く事にしよう。 .
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