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「あのすいません。」
少し強ばったような声が僕に呼び掛けた。
「はい?」
さて、オカ研か手芸部か…。
「やっぱり!テイト様!私ですクリシーナ=レイクラッド=アリスですよ!お忘れですか?」
可愛いと言うより幼いと言う感じの子が興奮気味にそして満面の笑みでまくし立てるように言った。
「…アリスさん?」
僕が一応反応すると、その子はガッカリしたようにうなだれる。
「お忘れ…ですか…。クレアと言うニックネームを付けて下さったのはテイト様ですのに。」
そんな事言ったって、アリスだクレアだなんて知り合いがいた覚えすらない。
「あ、お気になさらないで下さい。此方の世界では栗原 有栖と名乗っていますから、そのままアリスとお呼び下さい。」
此方の世界?ああ、あれかなりきりって奴か。
「あれ?テイト。剣道部見に行ったんじゃなかったの?」
急に後ろから声をかけてきたのは理沙だ。
「理沙こそ、どうしたの?」
「神楽に呼び出し食らってね。…っでその人は?」
理沙はアリスの顔を覗き込む。
「リーザさんじゃないですか!いつ此方の世界に?」
声を出したのは僕より先にアリスの方だった。
「大体予想はつくけど、テイト?これは?」
「これしか。」
「だよね。後そろそろ不味いかも。」
「え?」
第二音楽室のドアが勢い良く開く。
「あいつ、時間にだけはやけに正確だから。」
「あー!カグラ様まで!」
アリスは神楽に駆け寄る。「あ?誰?」
神楽は冷静にかつハッキリとアリスにいいはなった。
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