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「もしかして…お三人ともお忘れですか?」
『と言うか、知らない。』
僕たち三人の声はハモった。
「で、でもこれで四英雄勢揃いですね。」
『四英雄?』
また、声がハモる。
アリスは泣きそうな顔になってうつ向く。
「ごめんなさいね、私達『グラディアル』をまともに読んでないの。」
「読んでない?」
一転、アリスは何かを考え込むようにしばらく腕を組む。
「なるほど、大体状況が分かりました。ちょっと1日考えさせて下さい。」
と言うとトテトテ歩いて離れていく。
っと思ったら急に振り返って。
「あ、これは昔の仲間としての話じゃないんですけどね。よろしかったらオカルト研究会に入ってくださいね。」
それだけ言い残して一礼するとアリスはまた、腕を組んで行ってしまった。
「漫研とか文芸部とかじゃないのね。」
「あ、僕。オカ研に入部決定だわ。」
勧誘されたし。
「また、なんか変な自分ルールでも作ったのか?」
「ご明察。」
うん、損する生き方だとわかっちゃいるけどね。
「そうそう、軽音楽部駄目だわ。」
「そうなの?」
「去年、騒音問題やらかして今年から廃部だってさ。」
「それは、残念だったね。」
「弓道部も駄目だった、この高校弓道の強豪だから入部試験みたいのがあってね。」
「え?おまえ怪我してるじゃん?」
「そうなの、『入部試験に合わせて自分を管理出来ない人はうちの部にはいらない』とか言われてさぁ。知るかつーのよ。」
二人とも思うように入部が出来なかったのはよく分かった。
「で部活どうするの。」
「ギターの練習時間を伸ばせばいいし」
「弓道は道場でやればいいし。」
『ゆるめの文化系部活で。』
本日、三回目の三人のハモり。
「あ、剣道部。駄目だったんだ。」
「ご明察。」
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