1人が本棚に入れています
本棚に追加
3
「お嬢様。」
「どうした?郵便ならすぐ行く。」
「いえ、先ほどのご友人がいらっしゃってます。」
「え?・・・まぁいい。着替えたら行くから客間にとおしておいてもらえないか。」
「かしこまりました。」
はぁ・・・・・・ん?あれ。
なんか普通に橘君を扱き使っているような気がする。
主従の式を行ったわけでもないのに・・・
なんだか凄く申し訳ない気持ちになってきた。
「それよりまず先に着替えないと。」
僕は黒のカッターシャツに袖を通すと、先日買ったばかりの白のスキニーを穿いて部屋を出た。
「お姉ちゃんっ」
「あ、凛音。」
客間の戸を開けると、そこには絵琉、那波、ともちゃん、このちゃんがテーブルを挟んで橘君と向かい合っている。
張り詰めた空気が漂う中、時計の秒針の音だけが聞こえる。
僕は橘君の横に正座した。
「絵琉。君はどうしてここに?」
「あ、はい・・・。さっきお姉ちゃんが橘さんに連れて行かれたときに誘拐と勘違いされたようで・・・」
「それでみんなを連れてきたと。」
「はいっ。そうです。」
「ねぇ、凛音。この人本当に琥太郎さんの弟?」
絵琉の横で橘君を凝視していた那波が急に口を開く。
「あぁ。僕も最初は亡霊でも見ているのかと思ったよ。」
「琥太郎さんと柳太郎さんは双子かってくらいにそっくりですしね。」
―――そうして話を続けること約5分。
最初のコメントを投稿しよう!