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「さて、納品だな」
ダリルはそう告げると、カウンターへ納品物を乗せる。
係りの者が目を丸くしてダリル達を見る。
「あのぉ~
貴方達は4人だけ…そんな訳ないですよね。
残りの方とは後で待ち合わせですか?」
そんな事を言ってくる。
それを聞いたダリルは…
「くっくくくくっ。
ハゲルの旦那よぉ。
何処かで聞いた台詞だな」
「むぅ。
無理ないだろーねぇぃ」
2人のやり取りを、係りの者は不思議そうに見ている。
「うちのヤロウ共がすまないねぇ。
気にせず査定してくれない」
ロゼッタが、係りの者を促す。
「は、はぁ…」
なんとも言い難いような顔で一行を見た後、査定へ入るのだった。
ハゲルは、そんな彼女を暖かい目で見ている。
カリンからキモイって言われ、少しヘコンデいるが…
そんなハゲルが、おもむろに言う。
「姉ぇちゃんよぉ。
その査定はいけねぇなぁ」
「はい?」
いきなりのハゲルの指摘に係りの女性が驚く。
「その、ハウングルドルフの皮の値は高く付け過ぎだねぇぃ。
良く見ねぇとなんねぇ。
表だけじゃなくて、ウラを見てみな。
そして、皮を少し引っ張って明かりに透かしたりすんだぜぃ」
女性は唖然としてハゲルを見る。
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