ハント3

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「なるほどな。  強い身体能力は人の恐れを招くか…  考えたこともなかった。  理解した。  ありがとう」 「………  本当に、理解したんだろーねぇぃ?」 懐疑的な目で見るハゲル。 「むっ。  どう言う意味だ?」 訝しげにハゲルを見るダリル。 「おめえさんよぉぅ。  五感強化みてぇぃなのを使えたねぇぃ」 「ああ、使えたが?」 「それも対象なのは、当然理解してるわなぁっ?」 「むっ。  そうなのか?」 やはり理解していないダリル。 「だーらぁっ!  人と異なる能力はぁっ、人前で話すんじゃぁねーぇぃぞぉぅ。  おめーぇぃさんが強化した視力、嗅覚、聴覚は特に目立つんだよぉぃ。  そんなの知れたら、ことだからねぇぃ。  分かったのかぁぃ?」 「そ、そういう物か…」 当たり前である。 人が判断できないほどの遠方の物を見たり、聞いたり、嗅いだりできるのだ。 動体視力も異常。 嗅覚は犬並み以上。 小さな音どころか、広域の音質を聞き分ける。 知れたら人外扱いである。 触覚と味覚の差異は、比較しにくいので悟られ難い。 だが、目、鼻、耳の能力は比較し易いため、知られるべきではないであろう。
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