ハント3

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ダリルは呆れるが… 実は、まだまだ常識外のことをダリルは行っている。 1つは飲酒。 これは、育った村が特殊だからともいえる。 だが、ダリルのように飲める者は少ない。 ワンタ村の者くらいだ。 無論、ワンタ村の常識が、他所で通じる筈もない。 そういう意味では、ダリルの酒量は異常だ。 それに加え、アルコールを早期分解したりもしている。 そして、異常なほどの回復力。 重度火傷でさえも、皮膚を再生させ脱皮することで癒している。 さらに、放術を用いた治癒も異常といえよう。 仲間を癒したこともあるが、最近ギルドでハンターを癒している。 ただ、これらのことについては、ハゲルは気付いていない。 酒量のことは気付いてはいる。 だが、(ああ言う村だからねぇぃ)と思っているようだ。 そして、全員が意識してない異常事態。 ダリルの預金額だ。 中位の国ならば、国庫と全王侯貴族の宝物庫をはたいても同額にならない。 もはや、個人で保有するレベルの話ではない。 もしダリルが、ギルドで預金をカリンの通帳へ全額移したとしよう。 その場合、便宜上とはいえ、預金から引き出し、カリンの通帳へ入れることとなる。 つまり、一度ダリルへ支払うこととなる訳だ。 この場合、ギルドが支払うのではない。 引き卸した場所の国が支払うこととなる。 つまり、一瞬とはいえ、支払い能力を超えた金額が国から流出する訳だ。 その瞬間に、国には莫大な借金が生じる。 カリンの通帳へ移された後は、金は戻る。 だが…借金はそのままとなる訳だ。 国が傾くことになる。 もはや、経済兵器ともいえる存在にもなっているのだった。
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