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「フッ。
また、ハゲルのお節介が始まったな。
このオヤジはフィブスの街で査定人をやってたんだ。
だから目は確かだ。
それにお節介焼きでな。
若い者の面倒を見るのが趣味という変態だ」
「クォラッ!
誰が変態かあっ!」
真っ赤になって怒るハゲル。
「プッ。
ハゲルが茹で蛸になったよぉ」
海辺から遠いこの地ではあるが、蛸は知られている。
淡水蛸ではあるが…
普通に湖へ住み着いており、北の地では一般の食材だったりする。
思わず笑いそうになりながら、真面目な顔を維持しながら査定に戻る女性。
ハウングルドルフの皮の査定を終え、チラリとハゲルを見る。
するとハゲルは満足そうに頷く。
最初の査定では大損していたところだ。
逆にダリル達は損したことになるが…
ダリル達の持ち金は既に個人で持つレベルではない。
国家予算の数年分は保持している。
元来、巨獣や巨竜の討伐報酬は高いのだ。
命懸けの仕事だから当然でもある。
難度によるが、1頭が最低でも日本円に換算して数千万以上のとなる。
難度が上がれば憶越えも珍しくはない。
そんな報酬を預金しているのだから、当然と言えるであろう。
査定の差額など砂粒程の価値も無いと言って良いだろう。
査定人の女性は次の素材であるフォルポトロスに取り掛かる。
しかし…
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