物語の始まり

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「城崎 鏡夜(ジョウザキ キョウヤ)です。 よろしく。」 真っ直ぐ前を見つめたまま、 落ち着いた声で言った。 その声は、どこか甘い響きを持っていた。 美しいとしか言いようがない。 「ということだから、仲良くしてやれ。 えっとお前の席はあそこだ。 座れ。」 先生の声でその響きが台無しになってしまった。 それよりも、城崎君が近くへ来るということに緊張した。 だんだん近づいて来るうちに城崎君の 美しい顔の全てが細かく見ることが出来るようになった。 まつ毛1本、鼻の形1つをとっても 美しい。
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