物語の始まり

12/20
前へ
/84ページ
次へ
みんながこちらを向くのと同時に、私も教室の前のほうに走り出した。 2回ほど我れ先にとばかりに走る男子にぶつかった。 「邪魔!」と狂気じみた声で怒鳴られたのは何度も。 そして、男子よりもずっと早く走る女子に吹き飛ばされたのは4回。 ここまでとは予想していなかった。 黒板の前に着いて一安心したときは、体が全部無事だったことに感動した。 後ろを振り向くと人間の山のようになっていた。 でも、ほとんど女子たちの山で、男子のほとんどはあきらめて放り出されている。 あんな中にいたら無傷じゃいられない。 女ってひどい生き物だな。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加