物語の始まり

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だらーんとした空気のなかで、時間だけはどんどん進んでいった。 右手前の席の古屋が背中を丸めて計算式を書いている。 彼はいわゆる『ガリ勉』 勉強時間だけは誰にも負けてはいないけれど テストの成績は淳ちゃんにはかなわない。 やっぱり淳ちゃんってすごい。 雨は降っているけど寒くはない。 閉めきっているからむしろ暖かい。 今は10月。 一番好きな季節。 朝は寒いけれど、昼間はちょうどいいから。 つい、ウトウトしちゃう。 ─────キーンコーンカーンコーン
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