物語の始まり

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学校の駐車場で車を降りる。 「いってきます。」 ドアを閉める前に声をかける。 「いってらっしゃい。」 お父さんの名前は秋山 信幸(アキヤマ ノブユキ) 無口な人で、今日だって車に乗ってからの一番最初の会話がこれだ。 私もそれを受け継いだのかな。 玄関まで歩いているとクラスメイトの淳ちゃんが駆け寄ってきた。 「おはよー詩織!」 「おはよう。」 淳ちゃんはクラス1、学年1の頭脳の持ち主。 なのにそれを鼻に掛けたりしないから みんなからとっても好かれている。 「そういえばさ、うちのクラスに1人 男の子が転入してくるんだって。 知ってる?」 ふと思い出したように聞いてきた。 「へぇ。そうなんだ。誰から聞いたの?」 「宮本先生と学年主任が話してたのを聞いたんだ。」
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