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突然聞かれて心臓がドキッ!っとなる。
声の主はここからは見えないが、恐らく家の角を曲がったあたりにいる。
多分、声からして、まだ若い…
…男の子の声……
私は恐る恐る声のした方に近づいてみた。
カツン………カツン…………カツン…………カツン……………
「………………っ!」
角を曲がって一番最初に目に飛び込んだのは、白い煙。
まさか…放火魔っ?
慌てて煙の元を見ると、そこには1人の男の子……
……と、その手には……
「な、なにしてるの?」
「は?見てわからない?
タバコだけど?」
それが何か?とでも言いたげな様子であっけらかんと答える。
いやいや……見て分かるけどさ…
「あなた、中学生よね?」
「まあね。あんたも多分中学生だろ?」
「うん……ってだから!
それっ!見つかったら怒られるでしょっ?!」
私は彼の手もとを指差して言う。
「うん。だから隠れて吸ってんの。内緒な。」
どこまでもマイペースに答えられるので、これ以上もう何を言っても無駄だと悟った。
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