鍵と犬

秘密基地

あれは確か中学生の頃。

まだ両親が離婚する前、大手企業の重役だった父方の祖父が連れて行ってくれたパーティ会場。

社長令嬢の結婚式に忙しい父の変わりに招待された。

…というのは口実で、本当は花嫁の弟、つまり社長のご子息が私と同じ歳だから、私を餌に社長に取り入ろうとしていた事は私からみても分かった。

勿論始めは断ったが、祖父にお願いされる事に弱い私は、結局ここに来てしまった。

『…にしても……』

まともに結婚式に行った事のない私でも、この結婚式が異常に豪華だという事がわかる。

体育館くらい？いやもっと広いかもしれない。

天井には一面豪華なシャンデリアが輝いている。