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二人とも黙ったままだった。
どちらからしゃべるでもなくただ黙ったままだった。
どれくらい時間が経っただろうか。1時間は経っていたと思う。
小さな声で高橋さんが喋り始めた。
「寒いね。もう春のはずなのに全然感じない。
龍、少し歩こうか。」
高橋さんはそう言うとベンチから立ってゆっくりと歩き始めた。
それに合わせて僕も歩き出す。
「龍、フランス行くんでしょ?凄いなぁ。昨日エリカに渡してた盾。
あれ優勝したんでしょ?」
僕はうなずくと高橋さんは少しだけ微笑みながら
「フランスから帰ってきたら・・・私にカクテル作ってくれる??」
僕は小さくうなずいた。
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