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「結婚・・・するんだ。」
冬の終わりと春の始まりを同時に感じながらどこか心地よさと安心感の中僕はゆっくりうなずいた。
なんとなく気づいていた。
だからこそ安心したのかもしれない。
これで由実が幸せになれるのなら。
「その人は、由実の事幸せにしてくれる人なのか?」
「うん。今、すごい幸せだよ。彼の仕事で東北に行くことになったから
この場所に来ることももうないと思う。」
ゆっくりと歩き始めたその背中は春の日差しに当たりながら少しずつ離れていった。
その姿を見て逆の方向へ歩き始める。振り返ることなく歩き続ける。
「・・・でも!!」
「ぜっっったい忘れない!!!」
「ありがとう!!!」
背中に最後まで聞こえたのは龍ガンバレ、龍ガンバレという声だった。
僕は心の中で頑張るよ、ありがとうと答えた。
さようなら僕の初恋の人。
ありがとう僕の初恋の人。
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